会員企業紹介

食事処・よごろう
住所 〒980-0811 仙台市青葉区一番町2-5-61
電話番号 022-223-2651    
E-mail   URL  
営業時間   定休日  
概要 お客さんと支えた半世紀
 
 仙台のサンモール一番町から西に抜ける道を少し入ったところに「食事処・よごろう」はある。
 この店を女手一つで切り盛りしているのが女将の浅野知子さん(77歳)だ。
 
 今から60年前の昭和27年に「与五郎寿司・一番町支店」として開業したこの店に女将さんが本店から回されたのは昭和33年の事。稲荷小路の「与五郎寿司・本店」に15歳から勤め始めた女将さんが6年経った時の事だった。以来50有余年、幾多の紆余曲折を経ながら女将さんはこの店と共に生きてきた。昭和40年には店の名前を「食事処・よごろう」と変え、本店から独立した。
 
 店は木造の二階建て。古い絣の暖簾をくぐると1階には五人掛けのカウンターと、2人が向かい合って腰かけられるテーブル席が2つ、そして奥には4人が座れる畳敷きの小上がりがある。2階は小宴会用の和室が2部屋あり、仕切りの襖を外せば20人ぐらいまでが入れる。
 
 客の方は昔ながらの常連客が多いが、ランチタイムの豪快な〝まぐろ丼〟(八百円)に惹かれてやって来るフリー客も結構居る。客層は現役の会社員、公務員、趣味の会の女性、退職後の人生を楽しむ男性、それに女将さんの知り合い等、実に多彩である。夕刻ともなれば、一人でふらっと入って来る人、仲間と連れ立って来る人、忙しそうに2階の部屋に上がって行く人、それぞれの人がそれぞれの思いを持って店にやって来る。
 
 肝心の料理はといえば、独立した後プロとして包丁を持つようになった女将さんが、寿司屋としてのこだわりをもって仕入れた新鮮な魚介類の料理が中心だ。市場で自ら目利きした魚を扱う手さばきは、まさに〝女板前〟の面目躍如というところ。刺身はもちろん、煮魚、焼き魚、酢の物、寿司と、何でもござれの料理の数々は、塩加減がほど良く効いた茄子や胡瓜の漬物と相まって、客の舌と心を捉えて離さない。
 
 店の持つ雰囲気もまた良い。女将さんの人柄がそのまんま出たような飾り気のない、それでいて気配りを感じさせる店内の雰囲気に惹かれて来る客も多い。ある客が言う。「毎年ここのデパートで開かれる観光物産展に新潟から出店してる。近くのホテルを常宿にしているんだが、食事をするのはいつもこの店と決めてるんだ。」またある客は、「開店以来だからねえ、え、五十年?俺たちも歳をとる訳だ。持ちつ持たれつ、お互いよくここまで来たもんだよ。」隣りで女将さんが静かに笑っている。「お客様に育てていただいたんですよ。良いお客様に恵まれて幸せでした。だけど、わたしも歳だからねえ、いつまでやれるか..こんなご時世だから他人を使ってまでは出来ませんよ。娘と一緒にやってた頃が華だったねえ。」
 
 東日本大震災(平成23年)後、それまで使っていたアルバイトも断り、全くの女手一つで店を切り盛りしてもう三年になる。自らを叱咤激励しながら、女将さんは今日も店に出る。そして常連客たちも、それぞれの思いを持って今日も「食事処・よごろう」の暖簾をくぐる。
 
・晩酌コース(2,980円)
 ~銚子3本、又は、ビール2本(中ビン)、肴4品(刺身、焼き物、小鉢、漬物)
・ちょい飲みコース(1,480円)
 ~銚子1本、又は、ビール1本(中ビン)、肴2品(刺身、又は、焼魚、漬物)

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